CANON EF35mm F1.4L II USM レビュー|ポートレート、風景、モノ撮りなど、最高のオールマイティーレンズ

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CANON EF35mm F1.4L II USMを購入して、約1年が経ちました。

簡単にいうと、

  • 35mmが使いやすい
  • 開放F1.4からピント面がしっかり解像
  • ボケがきれい
  • 速いオートフォーカス

のため、今では圧倒的な使用率です。

この記事では、CANON EF35mm F1.4L II USMについて、実際に撮影した画像・作例を踏まえてレビューします。

※この記事に登場する画像については、「画質劣化なし」と記載がないものは、サイズや画質を落としています。

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EF35mm F1.4L II USM スペック

EF35mm F1.4L II USM
メーカー キヤノン
開放F値 F1.4
最小絞り F22
最短撮影距離 0.28m
最大撮影倍率 0.21倍
絞り羽根枚数 9枚
重さ 760g
防塵防滴 対応
手ぶれ補正 なし
フルタイムマニュアル 対応
フィルター径 72mm
最大径×長さ φ80.4mm×105.5mm
レンズ構成 11群 14枚

EF35mm F1.4L II USM 性能別レビュー・作例

EF35mm F1.4L II USMで実際に撮影した画像をお見せしながら、レビューをします。

基本的に子供や家族しか撮影しないのですが、顔を出せません。そのため、モノ、花、風景、ネコなんかの画像を載せています。

適当に撮影したものですので、作例とは言えないかもしれないですが、ぼけの雰囲気や解像度など、文字だけでは分からない点で参考になればと思います。

ぼけ

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F1.4

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F2.0

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F2.8

F1.4、F2.0、F2.8で撮影した場合の玉ボケです。F2.0からF1.4へ1段変えるだけで、だいぶボケの大きさや、滑らかさが違います。

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F1.4

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F2.0

あえて、ざわついた枝を背景にしてみました。棒状のものも、きれいにボケます。背景を整理したい時も、F1.4にできるメリットは大きいです。

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F1.4

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F2.0

被写体(真ん中よりやや右のブロック)から少し離れて撮影した場合です。寄って撮影した時に比べるとボケ量の差異は少なくなりますが、F値1段の違いはあります。

様々な場面で、ボケは滑らかですし、玉ボケなどの縁に色が付くこともほぼないです。

また、ボケ中心部にグルグル渦巻きみたいなのは出ません。

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オートフォーカス(AF)性能

AF速度は速いです。AF速度が原因でシャッターチャンスを逃すことは、まずないです。

AF時のレンズ駆動音は、遠くから近く(またはその逆)にピントを合わせるなど、可動範囲が大きい時は「ゴロっ」という音を感じました。家電量販店やショールームでは、周囲の雑音で気がつきませんでした。

お持ちの人はEF85mm F1.2L II USMをイメージしてみてください。EF85mm F1.2L II USMのレンズ駆動時の音や感触に似ていて、それが高速になったようなイメージ。

可動範囲が小さい場合は、、「スッ」っていう感じでピントがあり、音は気になりません。

AFの速度だけでなく、精度も良いです。AFフレームの中央はもちろん、周辺でもしっかりピントが合います。僕は中央のAFフレームは滅多に使わないですし、フォーカスロックもしないので、 全フレームで安心してAFできるのは助かります。

ピント精度のばらつきも感じません。やっぱり、純正で良かったのかもと思います。

解像度

僕は絞りは開放付近で撮影することが大半です。「カリカリ解像命」と思う程のこだわりはないですが、購入前は開放1.4での解像度は気になっていました。

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F1.4

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ピント部分トリミング(画質劣化なし・拡大可能)

最短撮影距離で撮影した画像です。白色や緑色の部分は模様になっています。今まで肉眼では分かりませんでしたが、この画像で初めて知りました。開放F1.4でもしっかり解像します。

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F1.4

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ピント部分トリミング(画質劣化なし・拡大可能)

少し離れて開放F1.4で撮影したものです。ひものヨコシマが綺麗に解像しています。

寄って被写体を大きく、引いて被写体を小さく撮影しても、ピント面は開放F1.4からしっかり写ります。

暗所性能

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F1.4

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ピント部分(「西部」「札幌」の辺り)トリミング(画質劣化なし・拡大可能)

ef35mm-f1.4l-ii-usm-013-F1.4
F1.4

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ピント部分(「注意」の辺り)トリミング(画質劣化なし・拡大可能)

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F1.4

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ピント部分(猫の顔)トリミング(画質劣化なし・拡大可能)

ボディの性能も関係すると思いますが、暗い場所でも、ピントが合います。暗所でのAF速度も問題ありません。

色収差

大口径レンズの場合、明暗差が大きいところのエッジが、紫や緑になることがあります。

明暗差が大きいもの・シーンとしては、例えば、逆光で強い光に照らされたものなどです。

技術的なことは詳しくありませんが、このように紫色が緑色が付いてしまうことの原因に、光の色によって屈折率が異なるという点が挙げられます。

レンズに集められた光は、一点に集まってはじめて像(被写体の絵)ができますが、特定の色は屈折率が違うので、一点に集まらない場合がある。

そんな光も一点に集められるようにしたキヤノンの新技術がBRレンズと呼ばれる素材です。だいぶざっくりな説明ですが。

この技術、現時点ではEF35mm F1.4L II USMにのみ使用されています。この技術のおかげで、変な紫や緑がほとんど出ません。出ても、 とても軽微なレベルです。

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F1.4

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色収差部分トリミング(画質劣化なし・拡大可能)

ef35mm-f1.4l-ii-usm-010-F1.4
F1.4

ef35mm-f1.4l-ii-usm-010-F1.4-zooming
色収差部分トリミング(画質劣化なし・拡大可能)

上の写真のように、色収差が出ることはありますが、影響は小さいと思います。特に2枚目については、よくこの程度で済んだなと感じました。

逆光耐性(フレアやゴースト)

ゴーストは出ます。「ゴーストに強い」とは言えないと感じます。僕は必ずレンズフィルターをするので、多少その影響もあるかもしれません。

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F1.4

上の画像では、中心部あたりと、そこから少し右下のところにゴーストが出ています。

一方、フレアにはかなり強い印象です。

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F1.4

逆光で撮影しても、全体が白っぽくなったり、霞がかる度合いは小さいです。

公園の画像は、フレーム上部に太陽を入れて撮影しています。あえて悪条件にして撮影していますが、コントラストが維持されていて、解像もしています。

ゴーストもフレアも、好み次第なので、 良し悪しの判別は難しいですね。

僕は、フレアについてはわりと好きです。 フワッとした感じが良いですよね。でも、このレンズだと、ほとんど出ません。人によっては、 マイナスポイントかもしれません。

操作性

単焦点なので、操作に関係するのは、MFへの切り替えスイッチとピントリングしかありません。

スイッチの固さは、固すぎず、緩すぎず、ちょうど良いです。

ピントリングは、多くの人にとっては、 問題ない滑らかさだと思います。スカスカ感はないです。

ただ、僕としては、もう少し重めの感触が好きです。EF50mm F1.2L USMのピントリングの固さ、滑らかさが好みですが、それに比べるとちょっと動きが軽いかなと。

外観・質感など

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質感は最近のLレンズと同じです。しっかりした感じです。

EF35mm F1.4L II USMの重さは760g。僕は重さについては気になりませんが、女性だとちょっと辛いのかな。

レンズの長さは105.5mm。35mmの単焦点の割には、かなり長いです。

付属のレンズフードは花形なのがカッコよくて気に入りました。フードの内側は植毛されています。

EF35mm F1.4L II USM レビュー(被写体・利用シーン別)

主な被写体や利用シーン別に、EF35mm F1.4L II USMの使い勝手などを紹介します。

※フルサイズカメラで使用することを前提にしています。

子供(屋内行事、自宅)

焦点距離35mmは子供を撮影する上では、相当使いやすいと感じています。

僕がEF35mm F1.4L II USMを購入したきっかけの1つは、保育園の発表会でした。

それまではEF50mm F1.2L USMがメインレンズだったのですが、子供が成長していく中で、50mmではフレームに収めにくくなりました。

自宅で撮影する場合も、50mmは少し長い。子供が1人から2人になると、50mmではさらにフレームに収めにくくなりました。

その結果、35mmレンズにたどり着きました。

ちょうど良い焦点距離であるだけでなく、保育園や自宅などの室内撮影する場合でも、AFが速く、F1.4でもピントがばっちり合うのが良いです。

ちょっと使いにくいと思われるシーンは、生後間もない赤ちゃんを撮影する場合です。

例えば、赤ちゃんの顔やパーツを撮影しようとした場合、かなり近づく必要がりますが、自分で影を作ってしまう場合があります。

そんな時には、50mmのレンズの方が個人的にはおすすめです。

子供・大人(屋外、ポートレートなど)

子供を公園などの屋外で撮影するにも、35mmは使いやすいです。

子供の成長度合いにもよりますが、子供の近くにいた方が安全な年齢であれば、特に35mmはちょうど良いです。

子供は身長が低いので、全身を撮影するにしても、そこそこ近くまで寄ることになるので、35mmでもF1.4にすることで、背景を大きくボカしやすいです。

多少距離を取れば、動く子供もピントを合わせて撮影できます。

大人を撮影するのにももちろん使えますが、全身を撮影する場合は距離を空ける必要があるので、F1.4にしてもボケが小さく感じます。

テーブルフォト(食事、デザート、人物など)

EF35mm F1.4L II USM、テーブルフォトにもおすすめです。

最短撮影距離は0.28mですが、特に困ることはないです。撮影しにくいとしたら、真横に座っている人くらいです。

食事やモノなど、F値を1.4にして最短撮影距離で撮影すると、かなりボケます。そして、きれいにボケます。

まとめ

EF35mm F1.4L II USMは、ぼけのきれいさ、オートフォーカス性能、開放F1.4からの解像力を兼ね備えています。安心して、積極的に開放F1.4で撮影したくなります。

ピント面のシャープさは、開放F1.4からF2.8くらいまで、ほとんど違いを感じませんでした。これは、F2.8が解像しないのではなく、F1.4でしっかり解像するという意味です。これは驚きました。

まさに、オールマイティーなレンズです。おすすめです。

コメント

  1. saxan より:

    35LII 購入されたんですね おめでとうございます。
    私は I型 あとSP35も使ってました。それとSIGMAのA30も5D3で使ってました
    (周辺減光ありますが使えます)

    II型は性能ものすごくいいのですが、人物撮りならI型の描写のほうが
    好きかも知れません。使ってみたらまた違うこといいそうですが(苦笑
    レンズとしてはほしいです・・・がさすがに手が出ないですね~
    II型買うなら5D4に入れ替えるほうが優先と思うのでw

    A35は手を出してないので買ってみようかとも思ってましたが 
    確かにAFの精度はきになりますね。
    実使用ではSPシリーズのタムロンのほうがAFはましそうです。

    とり合えず子供撮りには動きも考えると広角付近は24-70LIIでいいかなと
    思ってたりします。

    • KM より:

      24-70LIIは一度検討したのですが、24mmという画角をあまり使わなそうかなと思ったんです。
      今のところ、ズームなしでも、自分が動けば済む場合が多いので、35LⅡにしました。
      あと、50Lと対極なところも、面白いかなと。