ヒガサカメラサービスでカメラとレンズを修理。ピント調整は評判通りの仕上がり。

auto-focus-repair-001 カメラ・写真

一眼レフカメラのオートフォーカス(AF)で撮影すると、「なんかピントが甘い」と感じる場合ありませんか?

カメラの背景液晶で画像を確認しても問題ないし、明らかなピンボケではないけど、画像を拡大していくとピント面がボヤボヤっとしたり。

特に、大口径レンズで絞り開放にして撮影すると、ピントのずれを感じやすいです。

せっかく開放F値が低い単焦点レンズ・大口径レンズを買っても、絞り開放から使えないと意味ないですよね?

ピント調整ができるカメラ(マイクロアジャストメント等)でも、ピントのずれを補正しきれない場合もあります。

僕はある時、ピント精度が気になり出したので、ヒガサカメラサービスへカメラとレンズの修理に出しました。

その結果、かなりピント精度が良くなりました。

この記事では、ピント調整の修理をするきっかけ、ヒガサカメラサービスへピント調整の修理を依頼した理由、修理後のピント精度の感想などを紹介します。

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ピント調整・修理のきっかけ

僕はEF50mm F1.2L USMを持っています。悪名高い、レンズです(笑)

EF50mm F1.2L USMは、最近のレンズと比較すると「癖が強い」、「解像度が低い」、「ピントが合わない」など、ネガティブな意見が多いです。

でも、僕は開放F1.2のボケや周辺減光の雰囲気が好きで、EF50mm F1.2L USMはよく使用しています。

EF50mm F1.2L USMを使っていて、ある時までは、AFが合わないとか、問題があるとは一度も思っていませんでした。

開放F1.2で撮影すると、ピント面が少しぼやっとする感じはしていました。ただ、F1.2なら仕方がないと思いましたし、いつも画像を等倍で見るわけでもないので、気にしていませんでした。

ある日、ネットで何気なく見たとある画像。その画像はEF50mm F1.2L USMを使用し、F1.2で撮影したと記載がありました。

その画像は等倍で見なくても、僕のEF50mm F1.2L USMよりピント面がシャープだと感じたんです。

それがきっかけで、僕のレンズかカメラは微妙にピントがズレる問題点があるかもしれないとと感じ始めました。

カメラもEF50mm F1.2L USMも、購入してから強い衝撃を与えたりしたことは一度もないので、購入した時点から実はズレがあったことを疑いました。

僕の場合は、問題というレベルのズレではなかったです。でも、EF50mm F1.2L USMは数少ない開放F1.2のオートフォーカスレンズ。

せっかくなら開放のピント精度が上がるに越したことはないと考え、ピント調整の修理に出すことにしました。

キヤノン「あんしんメンテ プレミアム」にピント調整の修理を依頼しなかった理由

キヤノンへピント調整の修理を依頼する場合は、「あんしんメンテ プレミアム」というサービスを利用することになります。

でも、僕は「あんしんメンテ プレミアム」は利用しませんでした。

理由の1つは、ネット上の数ある書き込みです。

「あんしんメンテ プレミアム」に限りませんが、キヤノンのサービスセンターへ修理を依頼した方の書き込みやブログを見ていると、気になることが。

それは、修理後に「規格の範囲内でした」または「規格の範囲でしたが調整しました」とコメントがあったが、症状が改善されなかったという書き込みです。

このような不満は多く目にしました。これでキヤノンにお願いするのがちょっと心配に・・・。

キヤノンに依頼しない2つ目の理由は、「あんしんメンテ プレミアム」に関する問合せへの回答です。

僕は問合せフォームからメールで質問をしました。質問はいくつかしたのですが、特に気になったのは以下のやり取りです。

■僕の質問

  • 調整の精度は、キヤノンの規格内に入れるところまでなのか
  • または、規格の範囲内でも最大限まで調整してもらえるのか。

■キヤノンの回答

  • 例として、具体的に「ピント位置を前方向に移動してほしい」等、
    どのようにピントの調整を希望するのか、依頼時に伝えてください
  • 可能な限り対応する

キヤノンの回答って、僕の質問に答えてないんですよ。他の質問に対しても、回答がちょっとズレているものがあったり。

このやり取りで僕は思いました。口コミの通り、規格の範囲までしか精度を担保できないんだろうなと。

規格の範囲でも、依頼者が感じる問題を解決できればそれで構いません。ただ、「規格内にした」では納得がいく結果を得られなかったという口コミ・評価を結構目にしました。問い合わせへの回答は、それを裏付けるものだと判断しました。

以上のことから、ピント調整の修理は、キヤノン以外に依頼することに決めました。

ヒガサカメラサービスにピント調整の修理を依頼

ネットで口コミ・評判を調べた結果、ヒガサカメラサービス(大阪府)という会社にピント調整の修理を依頼することにしました。

ヒガサカメラサービスを選んだ理由は、最大限のピント精度向上が期待できると判断したためです。

ヒガサカメラサービスの精度調整というページには、「ゼロ・カスタム」というサービスを紹介していて、以下の記載があります。

  • ボディ:センサーとAF出力を規格値上限に分解調整します
  • レンズ:光軸の精度を規格値上限に分解調整します

「規格値上限」にですよ。規格「内」ではなく、規格「上限値」。

さらに「ゼロ・カスタム」のページに行くと、以下の記載があります。

カメラマンにとって永遠の課題。それは「究極のピント」ではないでしょうか。
勿論、既製品でもコンピューター制御により十分Canonの規格を満たすピント精度を手に入れる事は可能です。
しかし、ヒガサカメラサービスは考えました。
「Canonの規格を満たすことは当然として、どこまで究極に迫る事が出来るだろうか」
そしてこの問いへの回答こそが、ヒガサカメラがマニアックなまでにピント精度を追求した
「H.C.S. Zero-Custom(ゼロ・カスタム)」
なのです。

出典:ヒガサカメラサービス ホームページ

さらに、

  • 焦点距離の誤差:±0cm
  • フランジバックの傾き:0度
  • オートフォーカスの焦点:±0cm
  • レンズ光軸:中心位置に調整
  • レンズ片ボケ:上下左右調整

などとも書かれています。

特に、「焦点距離の誤差:±0cm」、「フランジバックの傾き:0度」、「オートフォーカスの焦点:±0cm」って、余程自信が無いと、ここまで言い切れませんよね。

キヤノンに限りませんが、メーカーの規格って、たぶんもっと大きな誤差がある前提だと思うんです。

ヒガサカメラサービスについては、口コミや評判の数は多くなかったのですが、満足度が高い口コミばかりでした。ネガティブに感じた口コミは見当たりませんでした。

その後、メールで見積依頼をしたり、不明点を確認するために電話もしたのですが、その時の対応もすごくスムーズ。

こちらが疑問に思っていることをいくつか質問したのですが、キヤノンと違って、明瞭に回答いただけました。

修理技術への自信、真摯な対応。これで、ヒガサカメラサービスにお願いするしか無いなと、決めました。

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ヒガサカメラサービスへの依頼方法

依頼の流れを紹介します。

見積依頼

メールか電話で見積を依頼します。僕はメールで見積依頼をしました。

確か、最初にメールした日の夕方くらいには、仮見積がメールで送られてきました。

仮見積の内容で問題がなければ、機材を発送します。

僕は、念のため依頼する意思がある旨を返信しましたが、何も返信せずに機材を郵送しても良いようです。

機材の梱包

僕は以下のものを準備しました。

  • 緩衝材(使いまわしのプチプチ)
  • 段ボール箱(使いまわし)
  • 新聞紙
  • ガムテープ

新聞紙は丸めて箱の底面に敷き詰めました。

その上に緩衝材でくるんだ機材を入れて、最後にまた新聞紙を丸めたものを隙間なく詰めておきました。

機材の郵送

ヒガサカメラへの発送料は、依頼者負担です。僕やヤマトに引き取りに来てもらい、郵送しました。

クロネコメンバーの場合、スマホ上でヒガサカメラの情報(住所など)を登録しておけば、送付状は宅配員さんが引き取り時に持ってきてくれますので、楽です。

本見積

ヒガサカメラサービスへの機材到着後、本見積がメールで送られてきます。

本見積に対しては、依頼するか否かの連絡が必須です。

修理完成の連絡・入金手続き

修理完成の連絡がありますので、入金手続きをします。
機材の発送は、ヒガサカメラ―サービスが入金を確認した後です。

自宅へ機材到着

佐川急便で送られます。機材の返送料金については、ヒガサカメラサービスが負担してくれます。

僕はクロネコメンバーなのでヤマトが良いのですが、変更は出来ないようです。

段ボールを開けると、ちゃんと梱包してくれていました。

カメラとレンズのピント調整・修理の結果

ピント調整の修理前後で、全く同一条件(撮影距離などの各種条件)で撮影した画像はないのですが、感じた点などをお伝えします。

まず、間違いなくピント精度が良くなっています。レンズの修理明細書に記載してあった、ピントのずれと改善結果は以下の通りとなりました。

  • F5.6センサー:-7cm→0cm
  • F2.8センサー:-1cm→0cm

もともと、多少ボヤっとすることがあっても、「F1.2だしな~」と気にしていませんでした。でも、本来の精度が出ていなかったんですね。

今回はレンズだけではなく、カメラ本体も上で紹介したゼロ・カスタムの修理を依頼しました。

修理後のカメラとレンズを組み合わせて撮影した結果、絞り開放(F1.2)で撮影しても、被写体までの撮影距離を問わず、今まで以上にピント面がシャープになりました。

AFフレームを中央にしている時はもちろん、周辺のAFフレームでもピント面のシャープさが改善しています。

ヒガサカメラサービスの方とお話したところ、どの新品のレンズであっても、僕くらいピントがズレていることは良くあるらしいです。

運が悪いと、もっとズレているものもあるそうです。

この話を聞くと、カメラやレンズの出荷基準は、わりと幅があるのではないかと感じました

※余談
色収差(フリンジとか)については、修理前後で違いは感じませんでした。もともとピント精度改善が目的でしたし、 EF50mm F1.2L USMはもともと色収差は大きいので、そこは全く不満は残りませんでした。

まとめ

「レンズを買ったら、とりあえずピント調整に出す」という書き込みをしばしば見かけます。

僕は今まで、「えっ!?買ったばかりなのに?」と思っていました。

でも、自分でピント調整の修理を依頼してみて、購入直後にピント調整を依頼する人の気持ちが分かりました。

程度の差はありますが、新品を購入しても、ピントのズレを感じる可能性は結構高いのではないかと思います。

カメラのピント調整機能(マイクロアジャストメント等)を使っても、ピントがどうもずれているとか、ピントは合うけど調整を入れておくのが気持ち悪い場合は、ピント調整の修理をしてみることをおすすめします。

まずは、ピントチェック用の道具で、ずれがないか自宅でチェックしてみましょう。

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