子供が生まれたことがきっかけに一眼レフカメラを買うという話、よく聞きますよね。
そういう話を聞いて「親バカだな」なんて思っていた自分が、同じようになるとは想像もつきませんでした。
僕は一人目の子供が生まれた約5カ月後に、はじめて一眼レフカメラを購入しました。
そして、そのカメラではじめて写真を撮った時、もっと早く購入して、子供が生まれた瞬間から撮りたかったと後悔しました。
今回は「子供を撮影する」という視点に特化して、一眼レフカメラの選び方を紹介します。
購入までの悩み解消法、一眼レフユーザーになったから分かったことも交えてお伝えします。
子供撮影のために一眼レフカメラを購入する理由
みなさんは、自分の家族、友達、恋人など、大切な人の昔の姿を鮮明に思い浮かべることができますか?
僕の答えはNoです。
特に小さな子供は、たった数カ月の間でも、見た目が大きく変わります。
生まれたばかりであれば、1週間でも違いが出ます。
きっと、このかわいい時期はあっという間に終わるんだろうと思っています。
数カ月前の子供の姿をぼんやりと思い浮かべることはできるかもしれません。
でも、顔、目、鼻、口、髪の毛、手、足、体格、そして肌の質感まで、全てを記憶することはできません。
ましてや、5年、10年と長い時間が経つほど、頭に思い描く過去の子供の姿は、不鮮明になるはずです。
「こんなにかわいい子供の、二度と戻って来ないこの瞬間を、出来るだけその時見たままの状態で残したい」
こう思うようになって、それまで何となく気になっていた一眼レフカメラを購入しようと決心しました。
一度決心すると、子供がどんどん大きくなってしまうという焦燥感も出てきて、「早く買わなくては!」という気持ちが一気に沸いてきました。
ミラーレスカメラではなく、一眼レフカメラを選ぶ理由
一眼レフカメラは、レンズから入ってきた光(被写体の情報)をファインダーを通じて、リアルタイムに見ることができます。
その一瞬一瞬の状態を見続けたまま撮影ができます。
一方、ミラーレスカメラについては、レンズから入ってきた光(被写体の情報)が画像処理されたものをファインダー(または液晶)で見ることになります。
常に画像処理という工程が入るため、被写体の一瞬と撮影者の目に入ってくる状態にタイムラグができます。
シャッターボタンを押す間隔がとても長ければ問題ないかもしれません。
でも、テンポよく撮影すると、ファインダーの中で、パラパラ漫画みたいに途切れて見えてしまします。
よって、子供などの動く被写体を撮影するには、途切れて見えることがない一眼レフカメラがおすすめです。
素人が使いこなせるか?もちろん、全く問題ありません
一眼レフカメラというと、プロカメラマンやカメラ愛好家が持つもので、自分には縁がないものだと思っていました。
「もっと良い写真が撮りたい」という希望。
「使いこなせずに宝の持ち腐れになるのではないか」という不安。
購入に傾きながらも、この二つの感情が行ったり来たりしていました。
はじめは頭の中がモヤモヤしていましたが、何となく自分の気持ちが分かってきました。
一眼レフカメラは、スマホやコンパクトデジカメよりも高価です。
そんな良いカメラを持っているなら、「上手く撮らないといけない」とか、「他の人より良い写真を撮らなければならない」とか、義務感に近い感情があることに気づきました。
でも、写真なんて結局は自己満足ですし、良い写真の定義も人それぞれです。
他人からの目線という意味では、せいぜい家族に「良い写真だね」って言われればそれで良いんです。
だから、少なくとも、今持っているスマホやカメラよりも、良い写真が撮れたと自分が思えれば合格だろうと考えるようになってきました。
この感情に行きつくと、購入しないという選択肢は無くなりました。
そして、実際に購入した結果、素人でも全く問題ありませんでした。
悩んでいたことがばかばかしくなりました。
ほぼシャッターボタンを押すだけで、スマホやコンパクトデジカメとは比べものにならないくらい、きれいに撮れます。
背景をぼかした印象的な写真も簡単に撮れます。
それまでの自分の写真との比較で、すごく良いと思える写真が撮れるようになりました。
今となっては、いろいろ設定することが楽しくもあり、醍醐味でもある感じています。
ネットで少しずつ勉強すれば、十分使えるようになりますので、何の心配もいりません。
カメラメーカーを選ぶポイント
決心したら早く購入したいですよね。
でも、はじめにどのメーカーを選ぶか、結構迷います。
一眼レフカメラといえば、キヤノンとニコンの二択と言っても、過言ではないです。
一眼レフカメラのレンズは、メーカー間での互換性が無いため、はじめに購入したメーカーを使い続ける場合が多いです。
ニコンのレンズはキヤノンのカメラには付けられないのです。その逆も同じく。
メーカーを乗り換える際にはレンズも全て買い替える必要があります。
この場合、大きな出費となるため、出来るだけメーカーの乗り換えは避けたいところです。
キヤノンとニコン、どちらにするか?
元も子もない言い方ですが、正直、どっちでも良いと思います。
それぞれ、同じ価格帯のカメラを比較した場合、性能・機能はほぼ同じです。
慎重に考えた方が良いという意見もありますが、考えたところで初心者には合理的な決断はできません。
だから、フィーリングで良いと思います。
一つ注意点があるとするならば、同等クラスの製品を比較した場合、ニコンよりもキヤノンの方が値段が高い傾向があります。
将来的な買い替えも想定して、とにかく安くカメラライフを送りたい場合は、多少ニコンが有利かもしれません。
(ほんとに「多少」レベルかと思います)
僕は手に持った時の感触、デザインが気に入ってキヤノンユーザーになりました。
その後も一貫してキヤノンユーザーです。
ニコンではなくキヤノンにする他の理由を考えた場合、キヤノンの方がカメラ事業の継続性が高いと思っています。
直近の決算情報・経営状況から判断しました。
強いて言えばの話ですし、完全に僕の主観です。
子供が撮影されるのが嫌になるまで、結構年数があると思います。
途中で使用しているメーカーのカメラ事業の一部 または 完全撤退が行われた場合、新しいカメラやレンズを楽しめる余地が少なくなると思います。
性能・機能で重要なポイント
電化製品の仕様は項目が多くて複雑ですよね。
一眼レフカメラも同様です。(例:キヤノン EOS 80Dの仕様)
家電量販店に行くと、機種の比較表がよくあります。
比較している項目はある程度は絞られていますが、初心者にはチンプンカンプンです。
書いてある項目の意味も調べたりもするのですが、何が重要なのかさっぱり分かりません。
さらに、1秒間の連射コマ数など、数値で示されているスペックが軒並み低い機種の方が値段が高かったりするので、余計混乱・・・。
でも、スペック数値だけでは分かりにくい、あるいは全く分からない部分の方が実は重要だと思います。
購入してから数カ月たって、「これだけはしっかり意味を理解した上で検討すれば良かった」という項目もありました。
そんな苦い経験も踏まえ、子供の撮影をする上で、僕が重要だと考えるカメラの性能・機能を紹介します。
メーカーから選べない場合は、性能・機能から選んでも良いと思います。
センサーサイズ
デジタルカメラにはフィルムがないため、センサーで被写体を記録(撮影)することになります。
このセンサー、カメラを選ぶ際に最も重要な項目であると考えています。
センサーは様々な大きさ(面積)のものがあり、名前が付いています。
キヤノンやニコンの一眼レフカメラの場合、「フルサイズ」と「APS-C」の2つあり、フルサイズが一番大きいサイズとなっています。
画像データ(写真)は、カメラがセンサーの画素で光の情報(レンズに映る情報)を受け止めることで完成します。
この1つ1つの画素が大きい程、光の情報を多く受け止めることができるため、暗所でもきれいに撮影出来たり、色の諧調(真っ白から真っ黒までの色の分布)が豊かになります。
センサーにこれらの画素が点在するわけですが、センサーが大きい方が1つの画素の面積が大きくなります。
例えば、1cm×1cmの面積と10cm×10cmの面積があるとします。
それぞれの内側に、重ならないように〇印を100個描く場合、10cm×10cmの方が大きな〇を描けます。
カメラに置き換えると、面積がセンサーサイズで〇が画素ということになります。
違った言い方をすると、面積(センサーサイズ)が大きければ、〇(画素)の個数が増えてもなお、面積が小さい方よりも〇(画素)を大きくできるとも言えます。
僕ははじめての一眼レフカメラにEOS 70D(APS-Cセンサー)を購入しましたが、その後の買い替えを経て、今はEOS 5D Mark IV(フルサイズセンサー)を使っています。
70Dを購入した時は、センサーサイズのことを理解せずに購入しました。
それでも、スマホ、コンパクトデジカメ、ミラーレスカメラ(APS-Cよりも小さいセンサー)に比べると、自分としては良い写真が撮れて感動しました。
でも、今、僕が過去に戻ったとしたら、間違いなくフルサイズセンサーのカメラを購入します。
先ほど暗い場所と言いましたが、室内(自宅や体育館等)も含みます。
人間の目では暗いとは感じないかもしれませんが、カメラにとって室内は暗い場所なのです。
スマホやコンパクトデジタルカメラで写真を撮影すると特に顕著ですが、画像がザラザラしたり、カラフルな色が被ってしまった経験がないでしょうか。
これはノイズと言われるものですが、画素が小さいので無理して光を集めてしまう(ISO感度を上げるしかない)結果なんです。
小さい子供を撮影するとなると、自宅を中心に室内で撮影する機会が多くなりますが、フルサイズの場合は、このノイズをかなり抑えることができます。
DPREVIEWというサイトで画質の比較ができるので、是非一度見てみてください。
僕が自宅で写真を撮る際に、肉眼で見えている明るさと同じように撮ることを前提とすると、ISO感度が6400くらいになることがよくあります。
そのため、上のリンク先ではISO感度を6400に設定しています。
右下の80D(70Dの後継機)のみがAPS-Cセンサーのカメラで、その他の3つはフルサイズセンサーのカメラです。
フルサイズセンサーで撮影された画像の方が、ディテールがよく残っていますよね。
APS-C(80D)の画像はざらついているのが分かると思います。
もちろん、実際に撮影する場面によって、画質の差が大きかったり小さかったりします。
僕の体感としては、屋内での撮影については、このサイトの比較結果よりも差が大きいケースが多い気がします。
被写体(子供)、撮影位置(カメラの位置)、光の当たり方、レンズなどの条件が同一の場合、センサーサイズに起因する画像のきれいさやボケ量の調整幅については、腕を上げてカバーすることができません。
このことからも、どのセンサーサイズのカメラを買うかが一番重要だと考えています。
測距エリアの広さ(ファインダー撮影時)
AFフレーム(測距点)の数はよく比較されます。
でも、子供の撮影においては、AFフレームの数よりも、測距エリアがどれだけ広いかが重要だと考えます。
AFフレームが多くて中央に寄っているよりも、AFフレームが少なくても上下左右に広がっている方が良いです。
例えば、カメラを縦に構えて、立っている子供の目にピントを合わせたとします。
測距エリアが狭いと、子供の目のところまでAFフレームが届かないため、ピントを合わせられません。
目から一番近い測距点でピントを決め、ピントを固定したまま(フォーカスロック)カメラの向きを変えて(構図を変えて)撮影するという手法があります。
子供が止まったままでいてくれるのであれば、この手法で撮影すれば問題ありません。
でも、子供はお願いしても止まっていてくれません。
カメラを振っている間に子供が動いてしまい、ピントがずれてしまいます。
ピントを決めた直後(≒ほぼ瞬間)にシャッターボタンを押せる方が、ピントのずれを抑えやすいので、そのためには測距エリアが広い必要があります。
なお、測距スピードとピント精度ももちろん重要ですが、レンズに依存するケースも多いため、あえて割愛します。
最近のレンズを使用するのであれば、あまり心配する必要はないです。
ちなみに、ライブビュー(背面液晶)での撮影であれば、ファインダーよりも測距エリアが広くなります。
ただ、動く子供を撮影する際は、ファインダーで撮影した方がしっかり構えることができるので、ブレにくいのです。
測距エリアの広さもスペック表だけでは分からないため、必ず確認することをおすすめします。
フリッカーレス機能(フリッカー低減機能)
蛍光灯の下でもきれいに撮れる機能です。
蛍光灯は目に見えない速さで点滅しています。つまり、一番明るい瞬間と一番暗い瞬間が交互にやってきます。
カメラのシャッタースピードが、この蛍光灯の点滅よりも早い場合、一番暗い瞬間に撮影されてしまう可能性があります。
そうなると、取れた写真の明るさや色味が変になってしまいます。
フリッカーレス機能がついている場合、カメラが自動的に明るい瞬間に撮影してくれるため、失敗する可能性が大幅に減ります。
絶対に蛍光灯の下で使うことがない場合は、必要ないです。
でも、子供が生まれる前の方は、フリッカーレス機能が付いているものをおすすめします。
これは、産後の病院で蛍光灯が使われている可能性があるためです。
生まれたばかりの子供ですと、数日でも見た目が変わるため、絶対にシャッターチャンスを逃さないためにも、あった方が良い機能だと思います。
無線LAN(wifi)
この機能があると、親戚と集まった時や友人家族などと出かけた時などに、その場ですぐに写真を共有できます。
といいつつ、僕は使っていないんですけどね・・・。
理由は、パソコンでRAWデータから現像・調整してから共有したり、プリントしているからです。
一般的には重要視されているようですので、挙げさせてもらいました。
最新機種にはほぼ搭載されていますが、1世代前のカメラには搭載されていない場合があります。
性能・機能で優先順位が低いポイント
スペックが数値で示されている項目の方が、優先度は低いと考えています。
どうしてもスペックの数値で釣っているだと思ってしまいます・・・。
画素数
「2000万画素」とか「3000万画素」とか、スマホやカメラ全般的に画素数をPRしていることが多いですよね。
もちろん多い方が良いという考え方はあるのですが、子供を撮影するという観点では、2000万画素あれば十分です。
センサーサイズのところで言及した通り、画素数が増えると、暗所での撮影や色の諧調に不利になります。
そして、データ容量もどんどん大きくなり、データの管理コストが上がります。
RAWから現像する時も時間がかかります。
大きくトリミングすることが多かったり、相当大きい画面で見たり、大きくプリントしない限りは、2000万画素も3000万画素も大きく変わりません。
ちなみに、キヤノンもニコンも、フラッグシップ機(一番高級な機種)は画素数が少ないです。
連射コマ数
子供は動く速度が遅いため、連射のコマ数が少なくても全く問題ありません。
「カシャ、カシャ・・・」って連射音を聞くと、何となく凄そうな気がしますが、冷静に考えるとそこまで必要ありません。
4.5~6コマ/秒くらいあれば十分です。
シャッタースピード
1/8000か1/4000で分かれますが、基本的には1/4000あれば十分です。
その後購入していくレンズによっては1/8000が必要な場合もたまにありますが、優先度は低いです。
もし購入に失敗しても、後悔しない理由
失敗を恐れて、機種を選べないケースがあるかもしれません。
その場合は、こう考えてみてください。
「一眼レフカメラは割と高く売れる。だから自分に合わなければ売れば良い」
僕は一眼レフカメラを購入して、しばらくこのことに気がつきませんでした。
僕はキヤノンユーザーなので、キヤノンを例に挙げます。
機種(商品名) | センサー | 販売価格 | 買取価格 | 売却時損失 |
EOS 5D Mark IV EF24-70L IS USM レンズキット |
フルサイズ | ¥429,800 | ¥321,000 | ¥108,800 |
EOS 5D Mark IV ボディ |
フルサイズ | ¥319,520 | ¥270,000 | ¥49,520 |
EOS 6D Mark II EF24-105 IS STM レンズキット |
フルサイズ | ¥235,900 | ¥199,500 | ¥36,400 |
EOS 6D Mark II ボディ |
フルサイズ | ¥199,439 | ¥170,000 | ¥29,439 |
EOS 80D EF-S18-135 IS USM レンズキット |
APS-C | ¥124,580 | ¥85,000 | ¥37,900 |
EOS 80D ボディ |
APS-C | ¥90,586 | ¥62,000 | ¥28,586 |
EOS Kiss X9 ダブルズームキット |
APS-C | ¥86,200 | ¥65,000 | ¥21,200 |
EOS Kiss X9 ボディ |
APS-C | ¥61,970 | ¥43,000 | ¥18,970 |
※購入価格:価格.com最安値より(2017年9月1日時点、消費税込み)
※買取価格:マップカメラ ワンプライス買取より(2017年9月1日時点)
レンズキットとは、ボディ(カメラ本体)とレンズがセットになった商品です。
ボディだけでも売っています。
はじめて店頭に行った時、何でボディだけ売っているのかと不思議に思いました。
一眼レフカメラはレンズ交換できることが魅力の一つですが、レンズは同一メーカーの機種間で使い回しができます。(出来ない組み合わせもあり)
そのため、レンズを持っている人は、ボディのみを購入するのです。
購入価格と買取価格の差(売却時損失)を見て、どう感じたでしょうか。
僕ははじめて買取価格を見たとき、「こんなに高く売れるんだ!」と思いました。
日常生活にある他のものであれば、大抵は購入価格の半値近くになりませんか?
今となってはカメラやレンズを何度か売り買いをしていますが、高値買取の安心感から、購入への抵抗感はだいぶ無くなりました。
ヤフオクやメルカリだと、もっと高く売れる可能性があります。
それなので、一眼レフカメラが気になるのであれば、とりあえず買ってしまいましょうとご提案します。
まとめ
子供、スポーツなどの動体、高精細な風景、夜景など、あらゆる撮影において性能が最大となるカメラはありません。
今回は「子供を撮影する」に特化しましたが、しっかり目的を踏まえて機種選びすることが重要です。
型落ち機種や中古もありかと思います。
僕は子供撮影のために5D Mark IVを使っていますが、おすすめです。
5D Mark IVについては、よろしければ以下の記事も参考にしてください。
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