RAW現像や写真編集をするためのノートパソコン。安い方が良いけれど、ある程度のスペックも必要です。
僕は一眼レフカメラを購入してはじめて、RAWファイルやRAW現像の存在を知ることに。そして、RAW現像・写真編集をするためにパソコンを買い替えたのですが、最初は大失敗・・・。
カメラメーカー推奨スペックを満たしているパソコンでも、あまりにもRAW現像・写真編集の動きが遅すぎて、使えなかったんです。
その後、またパソコンを買い替えることになったのですが、最終的に行きついたのはBTOのノートパソコンでした。今はとっても快適にRAW現像・写真編集をしています。
BTOは「Build To Order」の頭文字をとった略称です。簡単にいうと、購入者が、CPU、メモリ、ストレージなどを好きなように組み合わせて、自分好みのパソコンを注文することです。
RAW現像・写真編集用にパソコンを購入する人の参考になるよう、BTOノートパソコンに至るまでの失敗談、BTOノートパソコンを選んだ理由、選択すべきスペック、実際に使用したレビューを紹介します。
RAW現像・写真編集のメリット
はじめて一眼レフカメラを購入した当初は、「RAW」とか、「現像」とか、知りませんでした。恐らく、多くの人と同じだと思うのですが、「現像=写真(プリント)にすること」だと思っていました。
そんなど素人が、「RAWで撮っておくと良い」、「現像する時に、画質を劣化せずに明るさが変えられる」ということを知り、とりあえず始めました。今となっては、RAW現像・写真編集は必須です。
僕は主に子供を撮影していまして、今はRAWデータで保存しています。そして、DPP(キヤノンの画像編集ソフト)でRAW現像・写真編集をしています。
僕は被写体である子供や周囲の状況について、その時の色味や明るさを出来るだけ忠実に再現したいと考えています。でも、余程の撮影スキルがないと、何も手を加えないでそれを実現することは難しいです。
RAW現像・写真編集を行うことで、だいぶ自分のイメージに近い画像に仕上げることができます。また、違う言い方をすれば、失敗写真を救えることも多くなります。
RAW現像・写真編集用パソコンの購入失敗談(BTOパソコンの前)
一眼レフカメラを購入した時点で持っていた僕のパソコンは、キヤノンが推奨するDPP(現像・写真編集ソフト)の動作環境の条件を満たしていませんでした。
そこで、それらの最低条件を満たせるパソコンを買いに、家電量販店へ行きました。
まず、カメラ売り場の店員さんへ動作環境の条件を見てもらい、本当にその条件であれば「快適に」作業ができるか尋ねました。
返ってきた答えは、「ホームページに記載の動作環境をクリアしていれば大丈夫ですよ」と。なんか、明らかにマニュアル対応・・・。
その後、パソコン売り場の店員さんにも同じことを尋ねると、RAWとか、現像のことを理解していない様子。
パソコン売り場の店員さんにも動作環境の条件を見てもらうと、その店舗で販売されているほとんどのパソコンでは、条件を満たしているとのことでした。
詳しく話を聞いたところでも、確かにスペックの数値はほとんどのパソコンでクリアしていることは理解できました。
カメラやRAW現像・写真編集のことをほとんど知らないような店員さんだったので、ちょっと引っかかりました。でも、これ以上話してもしょうがないと思い、数値上の最低条件をクリアした、出来るだけ安いノートパソコンを購入しました。
誰もが知る大手メーカーのノートパソコンです。これが失敗の始まりでした・・・。
もちろん、そのメーカーのパソコンは何も悪くありません。選び方を間違えました。
RAW現像・写真編集時に問題発生。とにかくいろいろと遅すぎる・・・。
家電量販店で買ってきたノートパソコンで、いざRAW現像をはじめたのですが、動きが遅い。
露出(明るさ)などのパラメーターをいじったり、画像の拡大・縮小をしたりする都度、作業結果が反映されるまでにタイムラグが発生。
やっと画像の仕上げが終わって、RAWからJPGに変換しようとしたところ、それにも時間がかかる・・・。
はじめて購入した一眼レフカメラはキヤノンの70D。画素数は2020万画素。RAWデータ 1ファイルの容量は25メガ前後。
当時、他の一眼レフカメラと比べても、突出して撮影データが大きいわけではなかったはずですが、作業にすごく時間がかかりました。
この時点で、
「動作環境の条件を最低限満たしているだけでは、RAW現像や画像編集は快適にできない」
「スペックについては、店員さんに聞かずに、自分で決めるしかない」
と思い知らされました。
既製品より安い・スペックが高いBTOを決意
その後、カメラを5D MarkⅢ、さらには5D MarkⅣと、フルサイズ・高画素機へ乗り換えた結果、画像の容量も大きくなり、作業時にフリーズ頻発。この時点で、買い替えることは決定。
上述の通り、一度失敗しているので、次に買い替える時は、動作環境の条件よりも上のスペックが良いと考えました。
また家電量販店へ行ってみましたが、当初購入したものより上のスペックだと値段が高い・・・。また、余計なソフトや機能が入っている一方で、自分が欲しいスペックが入っていないことも多々あり。
そこで、BTOが頭によぎりました。漠然とBTOは気になっていたけれど、パソコン好きとかオタクがするイメージで、難しいと思い込んでいました。
ところが、必要な部品・スペックを選択できて、家電量販店で完成品を購入するよりコスパが良さそうなことが分かったので、BTOでパソコンを購入するしかないなと、決意しました。
BTOノートパソコンを購入(マウスコンピューター)
いろいろなBTOメーカーのサイトを見ましたが、最終的にはマウスコンピューターのBTOノートパソコンを購入しました。
マウスコンピューターに決めた理由は以下の通りです。
- ホームページが見やすい・選択しやすい
- ノートパソコンの中で一番スペックが高いCPUを選択可能
- SSDとHDDの両方搭載出来て、なおかつ、HDDが2ギガを選択可能
- 365日、24時間サポート窓口がある
これらでメーカーを絞った上で、あとは正直フィーリングです。
購入したBTOノートパソコンの仕様・スペック
ネットでいろいろ調べると、「CPUの方が大事」とか「メモリの方が大事」など、いろんな意見がありました。
総合的に意見をまとめると、CPU、メモリ、ストレージの3点が重要であることは間違いないと判断。
BTOは基本となる型(ベースユニット)をまず選び、そこから必要な仕様を選んでいきます。
僕がBTOしたノートパソコンの主な仕様は以下の通りです。
ベースユニット | m-Book K シリーズ(マウスコンピューター) |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | インテル(R) Core(TM) i7-6700HQ プロセッサー ( 4コア / 8スレッド / 2.60GHz [ 最大3.50GHz ] / 6MBキャッシュ ) |
メモリ | 16GB メモリ [ 8GB×2 ( PC4-17000 / DDR4-2133 ) / デュアルチャネル ] |
ストレージ1 | 256GB SSD (M.2 SATA3 接続 ) |
ストレージ2 | 2TB HDD ( 5400rpm ) |
GPU | NVIDIA(R) GeForce(R) GTX 950M (ビデオメモリ2GB) |
液晶 | フルHD対応15.6型ワイド液晶パネル ( 1920×1080 / LEDバックライト / ノングレア ) |
Core i7で、末尾に「HQ」と記載があるCPUは、ノートパソコン用のCPUの中では一番ハイスペックです。
僕はノートパソコンに保存したデータを元データとして、外付けHDDにバックアップを取っています。この元データの容量を大きくしておきたかったため、ストレージ2で2TBのHDDを追加しました。
いろいろ調べていると、ノートパソコンで2TBのHDDを付ける人って、あまり見かけませんでした。皆さん、外付けHDDにデータをためていたり、NASで管理をしている人が多いのかもしれませんね。そんな人は、ストレージ2は不要、もしくはもっと小さい容量で良いと思います。
マウスコンピューター m-Book K レビュー
買い替えたことによる効果、外観、使用感などをレビューします。
RAW現像・写真編集がとてもスムーズになりました!
パラメーターをいじっても作業が中断されることもないですし、RAWからJPGへの現像も非常にスムーズになりました。
5D MarkⅣで撮影した1ファイルのRAWデータは、3040万画素、約35メガですが、全く問題ありません。
複数ファイルを一括で現像している最中に、youtubeで動画を視聴しても、どちらかが止まることもありません。これは、メモリを16ギガにした影響が大きいかもしれません。
とにかく快適になり、ストレスフリーで作業できる環境になりました。
その他の使用感
SSDを使うのは初めてでしたが、PCの起動が相当早くて驚きました。カリカリするような音もしなくて、良い感じです。
ノングレアの液晶もはじめてでしたが、反射しにくいので見やすいです。光沢がないので、グレア液晶と比較すれば、少し見栄えが悪いかもしれません。ただ、現像した後の画像をプリントすることを前提とした場合、ノングレアの液晶の絵の方がプリントした絵の明るさに近い気がします。
購入してから1年ちょっと経過していて、その間毎日、4時間くらい使用していますが、ガタつきや不具合などは一切ないです。
家電量販店で購入するパソコンには、使わないアプリが入っているので、目障りだったのですが、BTOだとスッキリします。
デザイン・外観
外観については、良くも悪くも特筆すべき点はないですが、通常使用するにあたっては何の問題もありません。
■全体
■キーボード
■キーボード拡大
■ディスプレイ
■前側面
■左側面
■右側面
問合せへのしっかりした対応
子育てをしていると、僕が完全に落ち着く時間帯って22時以降になるんです。それなので、24時間サポートは助かります。
実際に、パソコンとモニターのつなぎ方など、何回かわからない点を電話で問い合わせました。問題は無事解決しましたし、丁寧に対応してもらえたので、満足です。
今BTOする場合のおすすめスペック
今(2018年1月21日現在)、僕がおすすめするのは、以下のスペックです。
■主な仕様
ベースユニット | m-Book K シリーズ(マウスコンピューター) |
OS | Windows 10 Home 64ビット |
CPU | インテル(R) Core(TM) i7-7700HQ プロセッサー ( 4コア / 8スレッド / 2.80GHz [ 最大3.80GHz ] / 6MBキャッシュ ) |
メモリ | 16GB メモリ [ 8GB×2 ( PC4-17000 / DDR4-2133 ) / デュアルチャネル ] |
ストレージ1 | 128GB SSD ( M.2 SATA3 接続 ) |
ストレージ2 | 500GB HDD ( 5400rpm ) |
GPU | NVIDIA(R) GeForce(R) MX150 ( ビデオメモリ2GB ) |
液晶 | フルHD対応15.6型ワイド液晶パネル ( 1920×1080 / LEDバックライト / ノングレア ) |
CPUとGPUについては、僕がBTOした時よりも新しくなっています。
僕はストレージ1のSSDを256GBにしました。実際は、SSDにはほとんどデータを保存していないので、128GBで良かったと思います。
また、ストレージ2については、僕は2TBにしましたが、一般的には500GBあれば良いのかと思い、その前提で構成してみました。
■仕様の詳細
より詳細な仕様は以下の通りです。これは、実際の注文画面で入力した後に作成した確認書面です。
もし、SSDを256GBにした場合は6000円(税別)、HDDを2TBにした場合は11800円(税別)が、上記に追加されます。
上記の仕様選択画面には、以下の流れでたどり着けます。
- ここからマウスコンピューターのホームページへ進む
- 画面上のメニューバーの「ノートPC」にカーソルを合わせる
- 右から2列目の「15.6型(ハイエンド)」の下にある、「インテル® Core™ i7-7700HQ
GeForce® MX150(フルHD/ノングレア液晶)」をクリック - 「Web販売価格 99,800円 (税別)」の右にある「カスタマイズ・お見積」をクリック
好みの仕様をチェックすると、画面の下に瞬時に金額が表示されます。いろいろ試してみて、自分の好みや予算に合う組み合わせを見つけてください。
3000万画素台のRAWデータの作業であれば、上記のおすすめの組み合わせであれば、スムーズです。
まとめ
RAW現像・写真編集をする前は、パソコンのスペックで不満に思うことは一度もありませんでした。
今回、身をもって失敗した経験から、画像編集にはかなりパソコンに負荷がかかるため、スペックが良いものでないと、スムーズに作業できないことがよく分かりました。
この記事をご覧になったあなたは、回り道をせず、はじめからある程度スペックに余裕があるパソコンを購入してください。
BTOは値段が安いわりに、充実したスペックを搭載できます。サポート体制まで総合的に考えると、マウスコンピューターのBTOはおすすめです。
僕は家の中で持ち運びするのでノートパソコンにしました。使用場所が限定されているのであれば、デスクトップパソコンをBTOしても良いと思います。
デスクトップパソコンのBTOも、上で紹介したのと同じような流れでできます。
マウスコンピューターには、クリエーターPC(DAIV)という、画像編集や映像編集用に、もっとスペックが高いPCもBTOできます。フォトグラファーや写真家が使うようなモデルです。
でも、素人が趣味の範囲でRAW現像・写真編集をする目的であれば、今回紹介したPC・スペックで問題ないです。
ぜひ一度、マウスコンピューター のホームページを一度のぞいてみてください。
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