子供撮影の設定は絞り優先とISO感度オート(SS低速限界あり)がおすすめ。

子供を撮影する時の設定はどうしていますか?

撮影モードや絞り(F値)、シャッタースピード(SS)、ISO感度など、組み合わせ方法がたくさんあります。

僕は撮影モードを絞り優先にし、ISO感度オート(シャッタースピード低速限界あり)に設定しています。

この設定がなぜおすすめなのかを紹介します。

※撮影モードや基礎用語が分からない場合は、以下の記事をご覧ください。

カメラの基礎知識:露出と撮影モード(絞り優先 など)による写真表現

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子供撮影の問題点

子供は動き回って、予測が難しいです。

表情も一瞬で変わってしまします。

「止まって」って言っても、お構いなしです。

そもそも、こちらの指示通りにしてもらうより、僕は自然体を撮影したいです。
(これは個人的な希望ですが)

このように、動き続けている間の一瞬のチャンスで、自分が意図した構図や表現で撮影しなければいけません。

小さい子供ほど、やり直しができません。

カメラは信用できない

チャンスが一瞬であれば、設定に手間取っているわけにはいきません。

設定は全てカメラに任せて、シャッターボタンを押すだけだと一番スムーズです。

でも、カメラに任せる設定が多くなるほど、自分が意図した写真が撮りにくくなります。

まず、露出(明るさ)はカメラが勝手に決めてしまいます。

露出は、絞り(F値)、シャッタースピード(SS)、ISO感度の3要素の組み合わせで決まります。

全てカメラ任せの場合、この組み合わせをカメラが勝手に決めてしまいます。

そうすると、どうなるか。

例えば、あなたが背景をぼかして、子供が浮き上がるように印象的に撮影したいとします。
この場合、絞り(F値)を小さい数値に設定しなくてはいけません。

でも、カメラに全て任せた場合、勝手に絞り(F値)を大きい値にされてしまう可能性があります。

そうすると背景がぼけず、あなたが思い描くような写真が撮れません。

子供撮影の撮影モードは絞り優先AEがおすすめ

カメラの設定でまず決めないといけないのが、撮影モードです。
カメラ任せにせずに、自分の意志が反映しやすい撮影モードは、以下の3つです。

  • 絞り優先AE(ぼけ表現を重視)
  • シャッタースピード優先AE(ぶれ表現を重視)
  • マニュアル露出(ぼけ、ぶれ両方を重視可能)

おすすめは絞り優先AEです。

好みにもよりますが、上でも触れたように、背景をぼかした写真を好む人が多いと思うからです。

そうすると、ぼけ量をコントロールしやすい撮影モードが良いので、絞り優先AEかマニュアル露出から選ぶことになります。

マニュアル露出を選ばない理由は、自分で設定すべき項目が増えることで、多少手間がかかるからです。

この手間の間に、良い表情を逃すこともあります。
(もちろん、技術でカバーすることもできるとは思います)

目的と機動性を総合的に考えて、絞り優先AEをおすすめします。

子供撮影時の絞り優先AEの欠点

絞り優先AEがおすすめと言いましたが、シャッタースピード優先とマニュアル露出の方が良い面もあります。

それは動く子供を撮影する時です。

シャッタースピードが遅いと、被写体(子供)が動くと写真がぶれやすくなります。
シャッタースピードを速くすることで、被写体ぶれを防ぐことができます。

絞り優先AEは、シャッタースピードはカメラ任せになります。
そのため、必要なシャッタースピードに到達せずに、被写体がぶれる可能性が高まります。

そこで、次の設定によって、撮影モードを絞り優先AEにしたまま、手間をかけずにシャッタースピードを確保します。

ISO感度オート(シャッタースピード低速限界あり)に設定

まず、撮影モードを絞り優先にした上で、ISO感度をオートに設定します。

その後、メニュー画面からISO感度をオートにした時の「シャッタースピード低速限界」を設定します。

シャッタースピード低速限界は、カメラがシャッタースピードを自動的に決めますが、指定したシャッタースピードを下回らないようにできる設定です。

撮影モードを絞り優先にした場合、ISOの設定方法と他のパラメーターを決定する主体(撮影者 または カメラ)の関係は、以下のようにパターン分けできます。

ISO任意 ISOオート
(低速限界無し)
ISOオート
(低速限界あり
F値 撮影者 撮影者 撮影者
SS カメラ カメラ カメラ
(最低速度確保)
ISO 撮影者 カメラ カメラ

パターンひとつずつ見てみましょう。

絞り優先+ISO任意の場合

ISOを任意の値に固定している状態で、カメラが暗いと判断した場合、カメラはシャッタースピードを遅くして、適正露出(明るさ)にします。

すると、手ぶれや被写体ぶれが起こりやすくなります。

シャッタースピードを遅くしないために、ISO感度の値を上げれば良いですが、画質が悪くならないよう、可能な限りISO感度は低い値にしたいところです。

つまり、「最低限のシャッタースピード」を確保することを大前提として、「可能な限りISO感度を低く」することが必要です。

これだと、シャッタースピードとISOの値を気しながら撮影する必要があり、被写体に集中しにくいですね。

逆に、被写体に集中しすぎて、カメラの設定に意識がいかない結果、

「もっとISO感度を下げても撮影できたから、画質が良くなったはずなのに・・・」

「ぶれているから、少しISO感度を上げて、シャッタースピードを速くすれば良かった・・・」

ということも起こります。

絞り優先+ISOオート(低速限界無し)

この場合、絞り(F値)以外は全てカメラが決定しますので、楽です。

でも、シャッタースピードとISOの組み合わせはカメラが決めるため、ISO任意の場合と同じことが起こります。

絞り優先+ISOオート(低速限界あり)

低速限界ありの場合、上述した「最低限のシャッタースピード」を確保することを大前提として、「可能な限りISO感度を低く」することが可能です。

低速限界ありで、暗めの場所で撮影したとします。

その場合、シャッタースピードは設定した値 または それ以上の速度に自動的になります。
それに伴い、ISO感度は自動的に変動します。

絞り(F値)とシャッタースピードの値が優先され、最後に適正露出になるようにISO感度で調整されます。

この設定によって、撮影者は絞り(F値)だけを変動させれば良いだけですので、撮影が非常にスムーズです。

一瞬のシャッターチャンスを逃す可能性を小さくできます。

注意点

便利な「絞り優先+ISOオート(低速限界あり)」ですが、人によってはおすすめできません。

上述した通り、最後にISO感度で帳尻を合わせるため、高感度になる可能性があります。

高感度になるほど画質が粗くなります。

例えば、僕が自宅で撮影する時、ISOオートで低速限界を1/125に設定しますが、ISO感度が6400くらいまで上がることがあります。

その時の撮影結果を許容できない人もいるかもしれません。

あとは、カメラのセンサーサイズによっても、異なります。

センサーサイズが大きい方が画質の劣化が小さいです。

僕は現在、APS-CのM6、フルサイズの5D Mark Ⅳ使っています。

M6ではISOが3200くらいで自分の許容範囲を超えてしまいます。

5D Mark Ⅳだと気にせずに高感度でも使えます。

以前は5D Mark Ⅲも使っていましたが、新センサーのAPS-Cよりも、旧センサーのフルサイズの方が画質は綺麗です。

まずは、あなたがどこまでの高感度が許容できるか、ぜひ確認してみてください。

室内、屋外、時間帯など、同じ高感度でも撮影条件が異なると、劣化の感じ方も変わってきます。

子供の肌の質感なんかも残しておきやすいので、僕はこの設定をする上では、フルサイズカメラがおすすめです。

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