この記事では、単焦点レンズ 35mmの比較ポイントやEF35mm F1.4L II USMを購入した理由を紹介します。
A「メーカー純正が良いけど、サードパーティー製に比べると価格が高い」
B「サードパーティー製は安いけど、メーカー純正の方がなんか安心」
AとBをループしている人に、少しでも参考になると嬉しいです。
EF35mm F1.4L II USMの購入に向けて、特に子供撮影を考えている人の背中を押しているかも・・・。
単焦点レンズ 35mmをおすすめしたい人
そもそも、「焦点距離は35mmで良いのか?」についてです。
僕が単焦点レンズの35mmを使用する被写体や場所は以下を想定しています。
- メインの被写体は人物。特に子供(生後から小学生未満)
- 人物は動いている場面も撮影。特に、子供が遊んでいるシーンなど
- 屋内、屋外の両方で撮影
- 日常生活圏はもちろん、旅行先でも使う
- 旅行先では風景や建築物も撮影する
- テーブルフォト、モノ撮りをたまにする
もちろん他にもいろんな使い方があると思いますが、上記に当てはまれば35mm単焦点レンズはおすすめです。
もっとボケを活かしたい場合や被写体までの距離を確保できる場合、そして、汎用性は捨てられないという人には、50mmもおすすめです。
単焦点レンズ 35mmの種類
単焦点レンズの35mmは、純正、サードパーティー製で豊富なラインナップがあります。
僕は動く子供を撮影することが多いため、マニュアルフォーカスは無理と考え、早々除外しました。
カールツァイスとか、評判が良さそうなんですけどね。
オートフォーカスができる35mmレンズは、以下のキヤノン純正やサードパーティー製のレンズが主要どころです。
- EF35mm F1.4L II USM:キヤノン
- EF35mm F2 IS USM:キヤノン
- 35mm F1.4 DG HSM:シグマ
- SP 35mm F/1.8 Di VC USD:タムロン
各レンズの主な仕様は以下の通りです。
EF35mm F1.4L II USM | EF35mm F2 IS USM | 35mm F1.4 DG HSM | SP 35mm F/1.8 Di VC USD | |
メーカー | キヤノン | キヤノン | シグマ | タムロン |
開放F値 | F1.4 | F2 | F1.4 | F1.8 |
最小 絞り |
F22 | F22 | F16 | F16 |
最短 撮影 距離 |
0.28m | 0.24m | 0.3m | 0.2m |
最大 撮影 倍率 |
0.21倍 | 0.24倍 | 0.19倍 | 0.4倍 |
絞り 羽根 枚数 |
9枚 | 8枚 | 9枚 | 9枚 |
重さ | 760g | 335g | 665g | 480g |
防塵 防滴 |
対応 | 非対応 | 非対応 | 対応 (簡易) |
手ぶれ補正 | なし | あり | なし | あり |
フルタイム マニュアル |
対応 | 対応 | 対応 | 対応 |
フィルター径 | 72mm | 67mm | 67mm | 67mm |
最大径 ×長さ |
φ80.4mm ×105.5mm |
φ77.9mm ×62.6mm |
φ77mm ×94mm |
φ80.4mm ×80.8mm |
レンズ構成 | 11群 14枚 | 8群 10枚 | 11群 13枚 | 9群 10枚 |
単焦点レンズ 35mmの比較・検討ポイント
4つのレンズを比較して、メリット、デメリットなど、ポイントとなる部分を紹介します。
EF35mm F1.4L II USM:キヤノン
純正の安心感、F1.4、防塵防滴、BRレンズ使用というところが〇。
焦点距離やメーカーを問わず、大口径レンズ(開放F値が低いレンズ)は、開放で撮影した時に色のにじみ(色収差)が発生しやすいです。
ところが、キヤノンが開発した「BRレンズ」によって、F1.4のボケを活かしながら、ピント部分はシャープ、全体的にクリアに撮影できます。
最大のデメリットは20万円オーバーの価格。
EF35mm F2 IS USM:キヤノン
純正の安心感、手ぶれ補正あり、重量が軽い、大きさが小さいところが〇。
単焦点レンズなのに開放F値がF2というのがデメリットでしょうか。
ただ、そこまでF値を下げる必要がなければ、手ぶれ補正があることは大きなメリットです。
35mm F1.4 DG HSM:シグマ
F1.4、35mmかつ開放F1.4の単焦点の中では価格が10万円以下というところが〇。
EF35mm F1.4L II USMとスペック数値上は大きな差異がありません。
オートフォーカス速度や写りなど、数値で比較できないポイントが気にならない場合は、35mm F1.4 DG HSMはコスパが良いと思います。
SP 35mm F/1.8 Di VC USD
5万円以下の価格、手ぶれ補正あり、最大撮影倍率の高さが〇。
特に最大撮影倍率は大きな差があります。他の35mm単焦点レンズは0.2倍前後である一方、タムロンの35mmは0.4倍です。
せっかくの大口径レンズなのに、F1.8というのがちょっともったいない気がしますが、だから安いのかもしれません。
35mmでEF35mm F1.4L II USMを選んだ理由
僕はEF35mm F1.4L II USMを購入しました。
比較した4つの35mm単焦点レンズの中から、EF35mm F1.4L II USMを選んだ理由を紹介します。
上記で、単焦点レンズの35mmを使用する被写体や場所で紹介しましたが、特に子供撮影という観点を優先しています。
開放F値
僕の場合、背景をボカして撮影したいと思うことが多いです。もちろん絞って撮影することもありますが、ボカしたい時にボケないことにストレスを感じます。
そのため、開放F値が最優先事項でした。すると、開放がF2であるキヤノンのEF35mm F2 IS USMが除外候補に。
絞り1段の差ですが、ボケ量はもちろん、ISO感度を下げられることも考えると、有意な差であると考えます。
特に室内で撮影する場合、絞りが1段違えば、ISO感度で6400と12800の差が出ることが結構ありますので、画質の差異は大きいです。
除外候補となったEF35mm F2 IS USMの良いところとして、手ぶれ補正があります。
でも、動く子供の撮影頻度が高いことを考えると、手ぶれ補正があっても、被写体ブレは抑えられません。
よって、開放F値と手ぶれ補正を比較すると、手ぶれ補正の優位性がないため、この時点でEF35mm F2 IS USMは脱落。
開放F値では、キヤノンのEF35mm F1.4L II USMとシグマの35mm F1.4 DG HSMの2つがF1.4ですので、まだ検討候補。
タムロンのSP 35mm F/1.8 Di VC USD は開放F値がF1.8ですが、こちらもこの時点ではキープ。後で総合判断。
オートフォーカス(AF)性能の速さと精度
子供はじっとしている時間が一瞬であることが多いです。そうすると、オートフォーカス(AF)の速さと精度が重要です。
以前、APS-C用のシグマ30mm F1.4 DC HSMを使っていました。その時、厳しい条件でなくても、合焦しないと感じることがちょくちょくありました。
APS-C用は、今回の比較している35mm F1.4 DG HSMより安いモデルです。そのため、性能が劣っていた可能性はあるかもしれません。しかし、それを差し引いても、「この場面で合わないの?」と思うことがボチボチあったんです。
だから、シグマの35mm F1.4 DG HSMのオートフォーカス(AF)精度が心配でした。
ネットで情報収集してみると、シグマのレンズはAF性能に個体差があるという口コミを結構目にします。シグマに修理を依頼しても、ピント調整するためのソフトを使っても、結局ピントが合わなかった話なども見かけます。
自分が購入する個体がアタリなら良いのですが、ハズレだと買い替えるしかなさそうなので、それが心配で35mm F1.4 DG HSMが検討候補から脱落。
タムロンの35mm F1.4 DG HSMについては、店頭で試した限りでは、問題無さそうでした。ただ、子供を撮影するにはAFが遅いと書いてあるブログを見かけ、ちょっと気になりました。
キヤノンのEF35mm F1.4L II USMも店頭やショールームで試した限りでは、オートフォーカスは全く問題なし。
防塵防滴・最大撮影倍率
子供が思いっきり遊んでるところを撮影しようとすると、砂ぼこりとか、水しぶきが飛んでくるシーンがあります。
4つレンズの中で防塵防滴に対応しているのは、キヤノンのEF35mm F1.4L II USMとタムロンのSP 35mm F/1.8 Di VC USDです。
ところが、SP 35mm F/1.8 Di VC USDの仕様を見たところ、「簡易」な防塵防滴との記載がありました。あえて「簡易」な防塵防滴と言っているので、ちょっと心配だなと。
一方、キヤノン製の防塵防滴レンズについては、別の防塵防滴対応レンズを使っていて問題がないという実績があります。
そのため、防塵防滴の機能については、EF35mm F1.4L II USMなら安心と判断しました。
EF35mm F1.4L II USMには無い、SP 35mm F/1.8 Di VC USDの強みは、最大撮影倍率です。
モノ撮りとか、マクロっぽい撮影をメインにしたい人には、大きなメリットかもしれません。
僕はモノ撮りをしても、マクロ撮影のように大きく写す必要性がないため、最大撮影倍率が高い必要もありません。
最後は防塵防滴の安心感、F値の差で、SP 35mm F/1.8 Di VC USDは脱落。
最終的にEF35mm F1.4L II USMの購入を決定しました。
まとめ
動体撮影(ピント速度・精度重視)やボケを活かしたい人、純正の安心感重視の人は、EF35mm F1.4L II USMがおすすめです。もちろん、風景撮影とかもばっちりです。
純正の安心感を重視しつつ、F2以上の撮影で差し支えない人や取り回しの良さ重視ならEF35mm F2 IS USM。
動体撮影なしで、ボケも活かしたい場合、純正に対する安心感を感じない場合は35mm F1.4 DG HSMが良いと思います。このことを前提として、F値が少し高くて良よい場合や被写体を大きく撮影したい人はSP 35mm F/1.8 Di VC USDを。
レンズに限りませんが、極論すると、どうしても迷って決められない場合は、高い方を買った方が幸せになれると思います。
コメント
たまたま50mmf1.2の評価を検索していて拝見しました。
35mmF1.4Ⅱも50㎜F1.2も持っていて、どちらも購入するときに
サードパーティ製や純正の他モデルと悩んだ経験があります。
比較の方法が明確で目的別にちゃんと特徴として紹介されている点
素晴らしいなと感じました。もっと早くに拝見できればよかったなと
感じています。実際に両レンズとも使用していて、書かれている内容には
ウンウンソウソウ!と頷く点が多いのも的を得た記事なのだなと。
ぜひレンズの記事をまたアップしてください。
GX400spさん、はじめまして。長期で不在にしてまして、お返事遅くなり、申し訳ありません。
コメントありがとうございました。少しでも誰かのお役に立てたことが分かり、嬉しく思っています。
また寄っていただけると嬉しいです。